「間」の世代の役割〜戦争体験者と今の若者との

先日、7月25日から開始された「85歳の被爆者 歴史を消さないために・新刊プロジェクト」の「御協力のお願い」を以下のURLにUPしました。
http://osu.pw/adcc

これは、私の次の本に関する呼びかけです。

長崎で被曝した母の戦中戦後体験を聴く対談集という、映画書ではなく、特撮の本でもない、従来の私の本にない企画であるばかりでなく、刊行形式自体も従来の本とは違った形ですが、上のリンクを読んだ方から、ご支援のメールが届き、大変感謝しております。

頂いたメールを読むと、被曝体験者や戦争体験者の世代ではなく、私と同じような、戦争体験者といまの若者の間に立つ世代の方からが多いようです。

作曲家の福田裕彦さんからは、以下のメールを頂きました。

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福田も、かねがね、先の戦争について、そして原爆投下、という形で迎えた戦争の終結について、「我々世代が次の世代に何が語れるのか」を考えてきました。
しかし、完全な「戦後派」、というより、「既に戦後ではない」高度経済成長の中で育った自分たちが実際にできることはきわめて少なく、せめて、自分の子供たちには、戦争の具体的な記憶者である自分の父母から漏れ聞いた話を口伝で伝えていく程度のことは厭うまい、と思い続けて今に至ります。
今回のこの企画は、まさに、福田が「しなければならない」と思っていたことを,より深いかたちで具現化していただいたもので、ほんとうにありがたく、かつ嬉しいものです。
二冊購入させていただいたうちの一冊は、今年結婚する息子に贈ろうと思います。
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私も、その「間に立つ世代」の役割について考えた結果の呼びかけでしたので、まさに「意図が通じた」と思い、とても嬉しかったです。
御本人に許可を取って、転載させて頂きました。

御家族に戦争を体験された方がいらして、生前にそのお話を充分に聞くことが出来なかったという思いから、今回の企画に賛同くださったという方も複数いらしました。

御自身のほかに御子息や、身近な若い人のためにもう一冊購入希望出して下さる方もいらっしゃいました。

また、御支援頂いた方は出来あがった本にお名前を記載させて頂くことにしているのですが、記載させて頂く「協力者名」について、御子息の名前にしてほしいと希望する方もいらっしゃいました。

自らの家の中に受け継がれたものの中にある「戦争」の記憶。そこを生き抜いてきた方々の思いの、すべては無理でもその「核」となるものを探り、未来に引き継いでいきたい……。

この本に記させて頂く方々のお名前は、単純な「購入者名」ではなく、未来に向かっての生きた言葉を残していきたいという思いを持った方々のお名前なのだと、肝に銘じながら、編集作業を続けます。