一万人のナナシ、出てこいや!

  アクションシーンにどんどんカメラが寄っていく迫力、かと思えばヒーローが歩いてくる場面の超望遠、そしてスキッとした立ち姿……東映ヒーロー屈指のハードボイルドでアクチュアルなキャメラマン松村文雄さんのロングインタビューを、出たばかりの「東映ヒーローMAX」30号と、「東映ヒーローMAX SPECIAL 侍戦隊シンケンジャー INTERVIEW BOOK」にまたがって前・後編掲載の『仮面の世界 マスカーワールド』ぜひご一読ください。

 僕が松村氏と初めてお話したのはなんと今年に入ってからで、お正月の半田健人さんのトークショーの楽屋に陣中見舞いに来られていたときでした。気さくに話しかけてくださり「ヒーローMAX」の連載も読んで下さっているとのことで、こちらとしては大恐縮でした。
 松村さんはその時少しお話しただけでも、トークのプロではと思われぐらいお話が面白く、ご本人も「ラジオで番組を持ちたい」とおっしゃっていたほど。
 そこで今回ロングインタビューをお願いしたら、引き受けてくださり大感激です。

  今年は『仮面ライダーディケイド』と『シンケンジャー』両方の第1話を担当した松村氏。秋から始まる『仮面ライダーW』も現在撮影中とのこと。
  8日からの劇場版では『シンケンジャー』の方を担当、最新の3D技術に挑戦されています。
  先日試写に伺ったのですが、試写室では3D上映ではなく、3D上映館のリストが配られていました。

  これは劇場にも見に行かなくては!
  原稿で紹介していながら、自分が立体で体験していないというのはいかがなものか(執筆時はまだ未完成)。
  一万人のナナシを立体で見なければ。
  『大ショッカー』も「いままで仮面ライダー見てきて良かった!」と思える作品だったし、両作ぜひもう一回見たいと思います。

  松村さんはいま私が本を作らせて頂いている原田昌樹さんと『キョーダイン』のスタッフとして知り合い、『キョーダイン』は松村さんにとっても原田さんにとっても初東映ヒーロー。
  そして原田さんが松村さんと共通しているもう一つのことは『Gメン‘75』育ちである点。しかし『Gメン‘75』にいた時期はズレていて、僕は原田さんから、ある事情でスタッフがごっそり辞めさせられた後に助監督として入れたという話を聞いていたのですが、その、辞めさせられたスタッフの中になんと松村さんがいらしたと聞き、驚きました。

  松村さんから、ご自身の映像のスタイリッシュなタッチは『Gメン‘75』育ちであることも大いに関係があると伺いました。
  近藤照男氏のプロデュース、高久進さんの企画で始まった『Gメン‘75』の遺伝子は、いまでも生き続けているのですね。