白川和子さんと中原俊監督トーク


  ロマンポルノRETURNS「昼下がりの情事」、上映前 “ザ・ロマンポルノ!”トークショー、ゲスト:白川和子さん(ロマンポルノ第一号女優)、中原俊監督。
  私は司会させていただきます。 
  ユーロスペース21時 http://www.eurospace.co.jp/

  なぜこの話が私に……というと、今度出るキネ旬で白川和子さんと今度のヒロイン高尾祥子さん(東京乾電池)の、新旧「団地妻」対談の司会・構成をさせていただいたからなのです。
  白川さんはやはりすごい女優さんで、「形」の演技と内面の演技、作品全体の表現するもの……を全部それぞれ受け止めていて、内にも外にも、ウの目タカの目にもなり得る……ホンット「一流の人ってこうなんだな!」と感激しました。
 今度の新作も一回見ただけで監督の意図を徹底的に斟酌した、映画評論家顔負けのシーンごとの細かい読解が始まり、服の色から家具の配置、セリフ、手の動き、タオルが落ちるか落ちないか、なぜ団地のセールスマンは浄水器を売りに来たのか、なぜ団地妻は風呂で胎児のようにうずくまっていたのか……すべてを生き生きと指摘しながら語られます。
 これには高尾さんも目がテン状態でした。

 日活撮影所で撮られていないとか、ピンク映画がいまだフィルムで作られているのに今回フィルムじゃないとか、そういうことに囚われていたきらいのあった私も、白川さんのお話を訊いている内に、第一作『団地妻』そのものよりは、80年代作品も含めた、世の中から少しずつズレた男女が寄り添い合う、かつてのロマンポルノの空気が浮かび上がってきました。浄水器のセールスマンが私の脳内で「古尾谷雅人」さんに変換されて蘇ってきましたよ!

  ロマンポルノは白川さんにとって通過点。数々の映画やテレビドラマ、舞台で演技のすべてを経験にしてきた人ならではの認識力のすごさに圧倒されました。
  これはぜひ中原監督本人とのトークを見たい……と思ったのですが、ついに実現します。
  白川さんは私にとって、映画について何か書く以上「会っておくべき人」であったことに気付きました。
  ぜひ皆さんも白川さんのトーク、聞きに来てください。