破壊神降臨!第13号冒頭公開!

日本映画をほぼ全部見て、作り手の方や、映画について語り合いたい人に会いに行くメルマガ『映画の友よ』。
http://yakan-hiko.com/risaku.html
最新第13号、先週末より配信中です。


今回は、以下の内容になります!



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00 ごあいさつ
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新刊『無冠の巨匠 本多猪四郎』の最終入稿作業の傍ら、ついに待ちに待ったハリウッド版『ゴジラGODZILLA』の試写に行った私が感涙にむせんだまま、『映画の友よ』最新号お届けします。

本メルマガは、取材協力を得ている部分以外は、勝手にやっている自主批評メルマガではありますが、事前試写で見せて頂いている作品について「ネタバレ禁止」と言われている部分を勝手にバラす野暮はしたくありません。

ゴジラGODZILLA』試写の際に配られた「ここは秘密にお願いします」という部分を避けて、でも「ゴジラ見たよ!絶対面白いよ」ということを一人でも多くの人にお伝えしたい。

そのために、岸川真さんが著したモンスター小説『赫獣』を一方のテキストにさせて頂きながら、拙稿「特撮黙示録」の最新版を巻頭からバーンとお届けします。


今回は、いわば巻頭長編レビューの二本立て。
もう一本は、私がライターになったばかりの時にそのデビュー作を見て大好きになり、でも今年なんと引退するという台湾の映画監督ツァイ・ミンリャンの「最後の作品」について書きました。

その「最後の作品」は一人の作家にとっての最後というだけでなく、映画の最後も指し示すものかもしれません。

そして今回の「日本映画ほぼ全批評」は、問題作『マリアの乳房』(瀬々敬久監督)含む計10本をレビューしました。

女優・桜木梨奈さんのインタビューはついに最終回。公開中『花と蛇ZERO』の話題もクライマックスです。今回はプライベートを語る桜木さんから演技でない涙が流れ、厳粛な気持ちになりました。

オンラインVHSレンタル店「カセット館」館長の後藤健児さんによる連載では、本メルマガでは創刊号から話題にしている『キック・アス』の原作と映画の関係について綴って頂きました。原作ではオタク性への言及や童貞性がより色濃い世界だったことがわかります。

また丸茂透子さんの連載では、アベンジャーズプロジェクト『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』に出演のスカーレット・ヨハンソンをテーマに、女性が評価する女性の「セクシーさ」について、綴って頂いてます。

足立正生さんの連載インタビューは、若松孝二監督の『実録・連合赤軍』の時は実現しなかった、幻の、足立さん版『連合赤軍』の内容について語られます。
知られざる真実を含むこの脚本の映像化が実現していたらと考えると、興奮を押さえられません。

誰か、いまからでも、映像化に手を挙げる人はいないのでしょうか?


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今週の目次
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[00]ごあいさつ
[01] ゴジラGODZILLAそして赫獣 破壊神の降臨 特撮黙示録1954-2014
[02] 連載寄稿 カセット館長の映画レビュー 第10回 『キック・アス』『キック・アス2』役者の成長によって、異なるテーマを持ち得た映画と原作 筆・後藤健児
[03] 連載寄稿・眼福女子の俳優論 アベンジャーズプロジェクト『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』に見るスカーレット・ヨハンソンの「セクシー」
[04] 切通理作の「見てンぞ!映画」 ツァイ・ミンリャンと「最後の映画」
[05] 日本映画ほぼ全批評
・マリアの乳房
太秦ライムライト
・喰女
・青天の霹靂
・薔薇色のブー子
・醒めながら見る夢
・青の光線
・こっぱみじん
・百瀬、こっちを向いて。
・川下さんは何度もやってくる
[06]ザ・女優魂 桜木梨奈ロングインタビュー その4(最終回) 秘密基地のような『花と蛇ZERO』体験と、亡き父への思いを語る
[07]連載寄稿 女子ときどき,ピンク映画 第26回ピンク大賞を追う〜個人賞編〜 筆・百地優子(脚本家)  
[08]足立正生連載インタビュー 第6回 もうひとつの『連合赤軍
・映画監督は始末に負えない存在
若松孝二への思い
・メディアから消された真実
学生運動版『仁義なき戦い
・何の勇気がなかったのか
[10] あとがき

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[01]  ゴジラGODZILLAそして赫獣 破壊神の降臨 特撮黙示録1954-2014 
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ハリウッド版『ゴジラGODZILLA』の公開を前にして、関連書籍が発売され始めているが、今年五月下旬に河出書房新社から刊行された岸川真の小説『赫獣』(かくじゅう)は、そのタイミングを特別意識して書かれたものではない。

だが著者が数年前から温めていたというこの作品は、たとえば僕のような、特撮怪獣映画で育ってきた人間にとっては「これだよこれ!」と思わせるに十分なものだった。

そして試写の始まったハリウッド版『ゴジラGODZILLA』を実際に見ることで、その「これだよこれ!」という感覚は、海の向こうの映画製作者たちの<ゴジラ愛>のこだわりとも重なっていたことを知り、嬉しくなった。

『赫獣』はざっくり言えば、ある山中に、人間の数倍の大きさを持った怪物が出現し、警察官や民間人たちが多数の犠牲を出しながらもそれと戦う話である。怪物は犬の姿に見え、猪と言う者もいるが、猿だという目撃談もある。しかしそれらはすべて怪物の本体ではなかった。

舞台となるのは我々の住むこの日本であり、誰もそれ以前に怪物と遭遇したことなどない。
つまり「怪獣が初めて出る世界」だ。

この小説は、ある軍事計画に関わった人物の私信から始まる。物語に登場する怪物の正体につながるものが既にそこに書かれてある。

1954年、合衆国ヒューストンにある陸軍科学研究所に、西ドイツの元ナチス先端兵器部にいた博士から赤い黴が持ち込まれ、研究培養されていた。

1956年に同実験科学研究所に死傷者不明の「事故」が発生、海兵隊・陸軍防疫班により火炎放射器による「施設内処理」が施され、研究所は爆破、博士は解任される。

だが1961年に旧陸軍実験科学研究所が対ソ右派勢力によって再建。国防総省直属の機関「合衆国生物兵器開発情報部」となる。以後十年の間に不慮の事故が多発、科学者や護衛の兵士のうち42名が殉職。

1972年には研究主幹となる博士が謎の死を遂げ、一時凍結されるが、1983年、大統領による実験再開、実戦配備の命令が密かに下され、実験場は本国ではなく「反共衛星国」へ移すことになった。かくして、「赤い黴」は日本の佐世保に持ち込まれたのである。

生物兵器として作られた胞子は、寄生した宿主を操り殺戮を繰り返す怪物となることが、やがて明かされる。怪物の被害はやがて、完全武装の小隊を殲滅できるまでに増大する。

劇中世界の表舞台から隠されていた架空の年表は、「怪獣が初めて出る世界」においても、既にその伏線が何年も前から貼られていたことを示す。

こうした設定の仕方は、ハリウッド版『ゴジラGODZILLA』においても登場する。一般人が全く知らない計画として、ゴジラは一部の人間たちに研究されてきた存在なのだ。

そして『赫獣』でもハリウッド版『ゴジラGODZILLA』でも、架空年表の起点となる年号は「1954」。


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