ストロベリーショートケイクス
資料を読む一日。
先日出した中央公論の昭和ブーム考察長編原稿での最終字句修正、校閲のチェック事項にいくつか答えました。
昼は六本木で『ストロベリーショートケイクス』試写見ました。
帰ったら配給の人から感想求められるメールが来ていたので、出した返事が以下です(ネタバレ伏字あり)。
「原作が好きだったので、ドキドキしながら見ましたが、矢崎監督の美意識が行き届いていて、原作を上書きしたものではなく、もうひとつの『Strawberry shortcakes』という感じで、よかったです。
『tokyo.sora』のような原作にインスパイアされた映画が既にある中で、等身大セミドキュメントの形を取らず、原作の最後の科白である「神様」を縦軸に一から映画的な虚構を構築した上でのリアリズムなのが安心しました。
里子と秋代に接点があるのは、原作では接点のない二人がもし会っていたらというもうひとつの可能性という感じがしました。
秋代が棺桶で寝ているというところや、客の前と菊地の前でキャラ自体が違ったりするのも、秋代のせつない可笑しみのようなものが映画なりに表現されている気がしました。
最後の●●しているというのはちょっとどう捉えていいかわからないところがありましたが。
※※さんは他の女優さんに比べても痩せてるなーっと感心。
※※さんの年齢に合わせたのでしょうか、四人の印象が二十台でもやや上なのが、所謂「女の子映画」とは印象の違うものになっていて、それもよかったと思います。
ぜひ、多くの人に見て欲しい作品ですね。
里子にコクるのが映画では村杉さんの中年男になっていて、同じ中年男としては居場所を見つけられて良かったです。
「誰でもいいってわけじゃないんです」と言いながら、ちーちゃんが神様に一度は殺すことを撤回してもらう微妙な揺れが中年男としては嬉しいです。
あと、中が見える冷蔵庫は僕も欲しくなりました!
奥村さんの枯れなさ油断のならなさも相変わらずいいですね。
高取さんには笑いました。
埋められるハムスターがぷるんと揺れるのが印象的でした。だいぶ肥えてましたが、食べすぎで永眠したのでしょうか。
塔子、所謂カット描き程度のイラストレイターではなく、あの前衛的なタッチで商売になっているのだったら、現実にはけっこう大家扱いだと思います。
原画なくしたら態度だけでも土下座しますよ(笑)。
まあ、リアリズムで考えればの話で、見ている間は食べ吐きの演技が圧倒的なので吹き飛んでしまいましたが。」