大怪獣バトルと響鬼の事情

  

 今日(というか明日)MXTVの番組BONZOで作家の鶴岡法斉さんと大怪獣バトルのゲームをプレイした。
 ttp://www.super-otc.com/bonzo/
 これはウルトラ怪獣うしのカードダス形式のゲームで、それぞれの怪獣の特徴がうまく活かされ、またCGのディテールや動きもよく出来ている。
 ガラモンがいったいどう戦うのかと思っていたら、おおっという嬉しい新必殺技を使った。メフィラス星人の紳士的な卑怯さもよく出ています。ジェロニモンはあの技を使う! ゲームのルールのいい意味で「こじつけ」た技が楽しい。

 ところで「仮面ライダー響鬼の事情」という本を著者の片岡力さんよりご送付いただきいた。
 まえにNHKで「WOO」の試写会でお会いした際に片岡さんからお聞きして以来、とても楽しみにしていた本。
 世に出すには、いろいろな苦労があったことと思う。
 到着後、他のすべての読書を中断し、一気に読んだ。
 「響鬼」という名前、太鼓を叩いて敵を倒すという発想・・・それら番組の画期的だった部分が片岡さんによるものであるということ、そして太鼓を実際に習うなど、損得抜きで文字通り全身で企画に取り組まれた片岡さんの姿勢(それはかつて「巨人の星」担当編集者が川崎のぼる相手に実際にフォークボールを投げてみせたという逸話を想起させる)には感銘を受けた。

 僕は「響鬼」はとても楽しみに毎週見ていたが、一方でどこかもどかしさを感じていた。
 まえにある親しい人が、始まったばかりの「響鬼」に対して、「いったいどう見ていいかわからない」と言ったとき、たしかにちょっとそういう部分もあるなと思った。今度の本を読んで、そうしたつかみどころのなさがどうして生まれてきたのかとい
うプロセスがなんとなく見えてきた気がした。音撃というせっかくの発想が、たとえば少年の側とリンクしないため現行作品ではひとつの意匠に終わってしまったという無念さを読んでいて感じた。

 それでも企画の斬新さとその息吹は損なわれることなく片岡さんの本から感じることが出来た。現行作品と比べて「こうであったら」と思う瞬間がご本の中にいくつもあり、興奮した。
 出来るだけ早く企画時のリアルタイムの声を採録しようとされた片岡さんの仕事には感服。