報告「中村うさぎとサンタ女子」!

    
  12日に行われた『サンタ服を着た女の子』刊行一周年イベント「中村うさぎとサンタ女子のクリスマス!」、おかげさまで百席ある会場が満員御礼でした!
  それ以上に感激したのは、夜も更けたイベント後半においても、お客さんの数がほとんど減らなかったことです。最後の質問タイムではもっともっと時間がほしいという熱気さえ感じられました。
  おいでくださった方、ありがとうございます!

  中村さんの著作と『サンタ服を着た女の子』の接点、および打ち合わせ時に出た話題から、トークの内容は三部構成で考えました。

第一部 女性は「人魚姫」なのか?〜私の中の「眠れる姫」
第二部 サンタ女子は何を「見せる」のか〜「私を見て」と「私を見るな」
第三部 コスプレは「性」の問題を象徴する

  それぞれの間に休憩が入り、それは衣装替えタイムでもありました。

  第一部では私服で登場された中村うさぎさんが、第二部では、この日のためにサンタ女子が作ったオリジナルサンタ服で再登場。サンタ服を着て下さいというお願いを快諾され「むしろ、ぜひ着てみたいくらいです」とおっしゃっていただいた中村さんのサンタ服姿には、場内からどよめきが。そして第三部では中村さんはじめ、ゲストの皆さんがそれぞれお持ちの衣装から、さらなるコスプレを展開!

 「私の整形もブランド物も、すべてコスプレです」とおっしゃる中村さん。コスプレを通して「性」の問題を考えるという全体の芯を作りました。その話題をしながら、実際にもコスプレするというシンクロを考えました。
 
 実際のイベントでも、話題は多方面に広がりながらも、芯の一本通ったものになったと思います。

 中村さんと私のトークにとどまらず、中村さんへの依頼状にも書いた、サンタガールズとの、世代を越えた女子同士の対話という側面を重視したかったのですが、サンタ女子も物怖じせず中村さんと話すことができ、中村さんもざっくばらんに受け答えしてくださり、とてもいい雰囲気でした。
 
 最後の質問タイムは、お客さん一人ひとりの、個人的な愛と性をめぐる懊悩を、質問したいのか、せきを切ったように語りたいのか、ご本人もわからないような、切実な調子で話される方ばかりで、場の空気がそうしたことをOKにしているような高揚感がありました。

 サンタ服およびさまざまなものへの「コスプレ」を通して、うまく表現できずに抑圧してしまっている「もうひとりの私」を、冗談半分本気半分、自虐ギャグに紛らわせて表現する、という、中村さんと確認したこのイベントの磁場が、おのおのの切実な場所を呼び覚ましたのではないかと思っています。

 そして刊行したばかりのときは、うまく説明できなかった『サンタ服を着た女の子』という本のいま存在する意義が、中村さんのおかげで浮き彫りになったと思います。

 いろんな意味で達成感のあるイベントだったと思います。
 今後の活動に、活かしていく体験になれればと思いました。
 みなさん、重ね重ねありがとうございます!


 DATA

燃えよ(萌えよ)中央線vol.1

切通理作著「サンタ服を着た女の子」刊行一周年記念イベント

中村うさぎとサンタ女子のクリスマス!
〜あなたに「眠れる姫」はいるか?

出演 中村うさぎ(作家) 藤本由香里(編集者/コミック評論家) 
司会進行 切通理作&ガーリーサンタ(高橋沙貴子、佐伯ツカサ、藍川じゅんなど)

「なぜ女であることをおおらかに、堂々と楽しめないのか?」をテーマに、中村うさぎが自らサンタ服になって問いかける。昨年新宿ロフトプラスワンで伝説となったプレクリスマスイベントが阿佐ヶ谷の新店舗で実現!

12月12日(水)
Open18:30/Start19:30
前売¥1200/¥1500(飲食別)
ローソンチケットでも発売
店名 Asagaya / Loft A
   (読み)アサガヤ・ロフト・エー
所在地 東京都杉並区阿佐谷南1−36−16−B1
交通 JR中央線阿佐谷駅パールセンター街徒歩2分