お遍路

 資料読みなどいくつかすませた後、上野にピンク映画を見に行く。

 夜は学生時代からの行きつけの呑み屋で年に一度の「屋上解放計画」に参加する(というか要するに呑む)予定だったがあいにくの大雨で店内呑みに。
 でも学生時代以来の友人と二十数年ぶりに再会した。
 年輪や社会人経験ゆえだけではないと思える彼の顔の変化―若い頃のやんちゃさとは違うけれど透明感のあるナチュラルさ―が気になったので聞いてみると、お遍路に行ったのだという。
 江原啓之のように何もかも見える存在になりたくて出かけたが、そういうものはないと知った旅だった。だが自分の足で歩くことで、たくさんのものを見たという彼の話に引き込まれる。