年末年始はウルトラQ

 
   ウルトラQの一挙放映をファミリーでやっていたので紅白とダブル画面で見る。
  内容自体は何十回も見ているから、画面の変化を音なしで見るだけでも楽しい。
  ウルトラQは巨大ヒーローが出てこなくて怪獣だけだから、それをどう見せていくかというスペクタクルの仕掛けがその分ある。迫るペギラの足元で逃げる少年の下で雪に覆われた地面が徐々に崩れ落ちてくる場面など実に細かく、いつまでも脳裏に焼きつく。
  制作第一話の『マンモスフラワー』なんて、巨大な花がただ咲くというだけのことを、どう「エンタテイメント」にしていくかという工夫。あるカットではミニチュア、あるカットでは実景に合成、花が咲く瞬間は爆発するようにボーン!と膨張し、3Dアニメでめらめらと花が広がるさまを見せる。長時間のコマ撮りで開花を見せる映像は誰しも見たことがあるからリアリティの手がかりになる。加えて触手がビルの中の人々を襲い、さらに毒燐粉で下界の人々を苦しめる。
  ペギラの回でも『1/8計画』でもそうだが、本編からのパンやズームバックで合成カットにつながる意外性、パノラミックな驚きの演出はウルトラシリーズの中でもやはりウルトラQでもっとも効果的に使われているのに気づく。
  映像のインフラで忘れてしまった感覚がここにある、と思った。