いよいよ金曜、柳さんとトークショーです


  たとえば陽光の日曜日、楽しく遊びに行ったつもりが、動物園に行くと憂鬱になるな。それは囚われの身になった動物にせつなさを感じるということがベースにありながらも、もっと直接には生き物のなまぐささに、不意打ち的に口をつぐんでしまう、ということなのかもしれません。
  そして動物園が基本的に屋外展示であるということ。空は続いているのに、檻は内と外を隔てる。そして内も外も次第に暮れていく空が、休日という自由時間の終わりを告げる。

 柳美里さんのフレーズに「本当の話をしたいのです」というのがあります。それは劇場だったり、文字の上でしか表せない言葉。現実には発してはいけない言葉。飲み込まざるを得ない言葉。
 否、それは舞台や文字の上ですら存在しないのかもしれない。その場所に来ざるを得なかった人々との間に一瞬成立したかに見える「幻」なのかもしれない。

 柳美里さんとのトークショーもいよいよ近づいてきました。柳さんはめったにトークショーには出ない人のようです。人前で話すのは苦手とのこと。そんな柳さんが来てくださるというのです。どんな話になるのでしょうか。どんな話をすればいいのでしょうか。



『情緒論〜セカイをそのまま見るということ』(春秋社)
刊行記念トークショー
切通理作×柳美里

エロスの火花〜情緒をめぐる「ここだけの話」

 散歩の効用――目的もなく彷徨する人間は、名前のない存在になって、誰かと出会う――そこにエロスが生まれる。情緒とエロは密接に結びついているとする批評家と、書くことと冥界を漂うことは分かち難いという小説家による、ここだけの「せつない」話。

日時:2007年11月2日午後7時開演 
 場所:ジュンク堂書店池袋本店 4階カフェ JUNK連続トークセッション
お問い合わせ 池袋本店 03−5956−6111
地図はhttp://www.junkudo.co.jp/ikebukuromap.htm