「写真すり替え事件」の真相とは〜丸田祥三氏『棄景』剽窃被害7


   アサヒカメラの「写真すり替え事件」の件、丸田祥三が実名記載に踏みきりました。
  http://bit.ly/9RNDhI

 盗作問題で係争中の写真を別のものにすり替え、丸田氏が似ていない写真を根拠に訴えているかのような悪印象を植え付ける結果になったこの事件。

 実害のあった当事者の丸田祥三でなくても、あまりにも異常に感じらます。
 アサヒカメラ編集部が丸田祥三に釈明したところによると、担当の若手ライター・山内宏泰氏が弁護士立会いのもと丸田氏から受け取った係争焦点の写真を、わざわざすり替えたというのです。
 争点となっている写真を自宅に隠していたというのですが、実に奇妙な話です。

 アサヒカメラはさすがに訂正記事は出しましたが、なぜこのようなことが起きたのかの説明は、あれから一年半たってもありません。山内氏も一切連絡をして来ないそうです。

 山内氏はなぜそんなことをする必要があったのでしょうか。若いライターのサボタージュ仕事だったというのなら、渡された写真を右から左に載せればいいはず。そもそも、それで何の問題もないのですから。
 わざわざ違う写真を見つけ出してスキャンするのも手間だろうに、と思うのです。
 しかも、記名原稿である以上、あとで問題になったら自分の責任が問われるわけですからね。

 手間と、そしてリスクを一身に負ってまで、なぜそのような、すぐバレて問題になることがわかっている不正行為を担ってしまったのでしょうか。

 どこかから圧力があって、抗しきれなかったのでしょうか。それとも確信犯的な動機によるものなのでしょうか。
 実に不可解です。

 しかもなお不可解なのは、アサヒカメラ編集部は山内氏にすべて責任があると丸田氏に説明し、訂正記事まで出しながら、丸田氏もブログで指摘するように、その後も平気で山内氏をライターとして起用し続けているということです。

 正直、私はこの写真のすり替えが本当に編集部が無関係だったのか疑問です。
 
 山内氏は丸田氏から写真を受け取った時にはそのまま載せると確約し、不審な言動はなかったといいます。その後なんらかの「力」が働いたのではないでしょうか。もちろん推測ですけれども。

 町山智浩さんはこの件に触れた自身のブログの中で「ベテランである小林に気兼ねした編集部の判断」ではないかと推測しています。http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/?of=14

 山内氏に及ぼした「力」の行使者は、この件の経緯について今後すべて沈黙を守ることを山内氏に要請し、その見返りとして、これからも変わりなくライターとしての場を用意させた、なんてことはないでしょうか。
 そうでなければ、この不可解な経緯を理解することは難しい気がします。

 実は僕は山内宏泰さんとお会いしたことがあります。
 ある若者中心に作っている雑誌から取材を受けた時に来てくれたのが彼でした。素直で好感が持てる青年でした。ただ、いま思えばちょっと気が弱そうでしたね。

 山内さん、もしいまあなたが全責任を負っていると言われているこのすり替え事件に言い分があるなら、ぜひ公に説明してほしいです。
 もちろん自分に全責任があるのが真実なら、なぜそうしたのか語ってほしい。それが山内さんの今後の文筆者としての名誉にかかわると、私は思います。