サンタクロースよ永遠に

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本体と並行して、ネット版号外として、公開中の映画『サンタクロースがやってきた』(公開中)の監督・蜂須賀健太郎さんがお勧めするクリスマスに見たい映画についてトーク。今日はついに最終回。


◇何かを思い出させてくれる映画

切通 以前に比べて安い予算でCGなど合成技術を採り入れることが出来て、ファンタジックな道具立てが記号化したいま、奇跡へのおののきっていうのは、やはり心理的なところに基盤を置いてもう一度考え直す必要があるのかもしれない。

 『クリスマス・キャロル』なんかも、金貸しで、まったく他人のことを信用していない男が、違う人生を垣間見る話でしたよね。あの男は、当時の現代人の象徴なのかもしない。そういう鈍麻した感性が、べつのものに出会うことで意識が開かれるような。

蜂須賀 っていうかまさに『クリスマス・キャロル』こそが、ひょっとしたら『素晴らしき哉、人生』や『三十四丁目の奇蹟』のような映画のベースになっている気もする。

切通 『素晴らしき哉、人生』の方はかなり直接的に参考にしてそうですよね。善人が、もし自分が居なかったらみんなが不幸になっていたと知るのが『素晴らしき哉、人生』なら、悪人が、将来自分が一人で淋しく過ごす世界を垣間見るのが『クリスマス・キャロル』。それで人に優しくしようと思う。

蜂須賀 そうです、そうです。なんか、変わるんですよね。生き方が。

ある種『クリスマス・キャロル』みたいなものが、シェイクスピアじゃないですけど、古典のようなものになっているのかもしれないですよね。もしかすると。

三十四丁目の奇蹟』にしても『素晴らしき哉、人生』にしても、映画を観終わったあとに、自分がフトやっぱり……なんていうんだろう、べつに普段はそんなことに気を留めないようなものに対しても……たとえば人に対してすごく優しくなれたりとか、そういうことをやっぱり思い出させてくれるような映画ですよね。


『サンタクロースがやってきた』

新宿K'sシネマにてクリスマスロードショー!

12/14(土)から12/27(金) 連日10:00より

大阪、シアターセブンにてクリスマスロードショー!

12/21(土)から12/27(金) 連日16:00より

『サンタクロースがやってきた』公式サイト

http://santa-movie.com/


20日はいよいよメルマガ本体の第2号が配信される日です.
蜂須賀監督とのクリスマストークはそちらに完全版が収録となります。ぜひご一読くだされば幸いです。
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監督プロフィール
蜂須賀 健太郎(はちすか けんたろう)
1965年生まれ。デジタル•コンテンツ、ミュージックビデオ、アニメーション、キャラクターなどのさまざまな映像作品を監督。主にファンタジーを基盤としたものが多い。映画作品に、『黄昏のアインシュタイン』(ヴァンクーバー国際映画祭、サンフランシスコ•アジアアメリカ国際映画祭正式出品)、『アクアリウム』(福岡アジア映画祭正式出品)などがある。


素晴らしき哉、人生!
It's a Wonderful Life

監督フランク・キャプラ
脚本フランク・キャプラ
フランセス・グッドリッチ
アルバートハケット
原作フィリップ・ヴァン・ドーレン・スターン
『The Greatest Gift』
製作リバティ・フィルムズ
フランク・キャプラ
出演者ジェームズ・ステュアート
ドナ・リード
ライオネル・バリモア
ヘンリー・トラヴァース
音楽ディミトリ・ティオムキン
撮影ジョセフ・ウォーカー
 ジョセフ・バイロック
編集ウィリアム・ホーンベック
製作会社Liberty Films
公開 アメリカ1946年12月20日
日本 1954年2月6日
DVD販売 http://p.tl/wpUA