バアさんの屁にもロックがある! 『花火思想』
映画『花火思想』関西での上映展開が始まっています。
4月26日から5月9日まで、大阪第七藝術劇場
5月10日から23日まで、京都立誠シネマ。
そして5月17日にはふたたび東京の、ポレポレ東中野で木村文洋監督『へばの』と同時上映。
昨年12月からスタートし、日本映画をほぼ全部見て、作り手の方や、映画について語り合いたい人に会いに行くメルマガ『映画の友よ』。
http://yakan-hiko.com/risaku.html
その準備段階で、公開中の映画や、試写に通う日々が始まった最初の日に出会ったのが『花火思想』でした。
この時の「頭を殴られたような衝撃」は、こちらのブログでもUPしています。
http://d.hatena.ne.jp/PaPeRo/20131228
そして、『映画の友よ』第2〜5号で、監督の大木萠さんと、脚本・撮影の阿佐谷隆輔さんとトークしました。
関西での公開に合わせ、いまそのエッセンスを本ブログに連続UPしています。
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『花火思想』公開前連続トーク 第二回
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切通 『花火思想』は阿佐谷さんが書いていた脚本から始まったということなんですけれども。
阿佐谷 「ロックっていうものが、いったいなんなのか」っていうのは、中学二年生からずうっと考えてて。
イメージの中では、ローリング・ストーンズとか、ああいうものだけじゃなくて、たとえばイッセー尾形さんの一人芝居にもロックを感じましたし、家で祖母がみかんを食べておならをプーッとかする姿にも……。
切通 ロックを感じたと。
阿佐谷 そういう姿にもなんかあるんじゃないかと。
で「なんなんだろう、なんだろう」って、メモ書きみたいなもので脚本を書いてたんです。映画になったものと違うのは、完全に、ホントの主人公の一人称だった。
で、2007年ですかね……乃木坂のCOREDOシアターっていうところで、井土紀州監督の『百年の絶唱』という映画に出会ったんですよ。
切通 ある青年に別の男の想念が乗り写って、ひたすら疾走して復讐を遂げていく、初期衝動そのもののような映画でしたね。
阿佐谷 その時にもう、バーンと来て、一発目はもう……自分はシナリオの書き方の本とかも読んでたんですけど……一発目はもう、そんなことじゃなくて、ここ(腹の内)にあるものを全部吐き出してみろって言われたような気がして(笑)。
その辺をまた書き直して『百年の絶唱』の監督の井土さんに読んでもらう機会があって、でも「ダメだよ」って言われて書き直して……。
大木 その井土さんに見せたシナリオも読んだんです。ひどいもので、もうホントにメモ書きみたいな……。
切通 どんな内容だったんですか。
大木 同じだよね、基本的には。
阿佐谷 ほとんどは一緒なんですけど、優介がかつてやっていたバンドのメンバーは出してないですね。過去っていうものを出してないので、現在の時間だけでした。
大木 最初のシーンが、いきなり主人公が窓を開けて飛び出していく……みたいなところから始まってて、もう全然意味がわからないっていう。
阿佐谷 『イージー・ライダー』みたいな。
楽器を持つことがロックじゃない。生き方でロックするんだ――。
そんな気恥ずかしいばかりの思いを持って生きようとする青年。
行くあてのない自分をそのままのかたちで見つめるために、フト出会ったホームレスの男についていく――。
ただひたすらその初期衝動のみで作り上げたような……、
映画メルマガを始めた出会いがしらにぶつかってしまったこの衝撃から、目をそむけるわけにはいかなかった。
『花火思想』公式サイト http://hanabishiso.jimdo.com/
監督 大木萠
脚本・撮影 阿佐谷隆輔
出演 櫻井拓也
久保健司
モロ師岡
芹澤興人 勇人
富岡英里子 四宮勘一
瀧口修平 金村英明
皆さん、この映画とぜひ「出会って」ください!
これからもトピックとなる話題を随時UPしていく予定です
トーク完全版はメルマガ『映画の友よ』バックナンバーで。
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