初の海外映画監督インタビュー!

切通理作メールマガジン「映画の友よ」
2014年07月18 日 Vol.016 http://yakan-hiko.com/risaku.html


今回は新作『郊遊<ピクニック>』が8月に公開される蔡明亮ツァイ・ミンリャン)監督のインタビューが巻頭を飾ります。
海外の監督にインタビューするなんて、僕自身久しぶりで、うっかりテレコをご本人の真ン前、通訳の方から離れたところに置いてしまい、「慣れてねーなー」と心の中で自分にツッコミ入れました。

20年前、僕が物書きになった頃に『青春神話』でデビューした蔡明亮監督。十作目の今度の作品で、早くも引退すると言います。

当時はまだアジア映画といえば、ギャング映画とカンフー映画以外では、農村を舞台にした民衆礼賛映画が一部輸入されている程度でした。

僕は『青春神話』を当時見た時、台北の都市周辺のひなびた世界を舞台にして、外から見たら、きらびやかな青春の主人公にはなっていない、等身大の若者が徘徊する姿に、たまらなく共感を覚えました。

いなくなってしまう前に、会っておきたい……と勇気を振る追い起こし、インタビューをお願いしました。

新作レビューでは、ジブリの『思い出のマーニー』をはじめ、大林宣彦監督の『野のなななのか』、そして公開待機中の『おやじ男優Z』『鬼灯さん家のアネキ』『まほろ駅前狂騒曲』、公開されている作品『渇き。』『スイートプールサイド』『オー!ファーザー』『女子ーズ』『めぞん美熟女 ぬるぬる下宿』と、10本について書かせて頂きました。

そしてハリウッド版『ゴジラ』も、いよいよ、この号が最新号として出ている間に公開が開始されます。そこで今回は、この映画を「見た」という人が、疑問を持つかもしれない三点について、自分が思っていることを書いてみました。
題して「ゴジラ想定問答」。

9回にわたって掲載させて頂いてきた、足立正生監督のインタビューは今回で最終回!
しかし、お話を伺いたいことがまだまだあります。
近く改めてお話を伺い、第二部として再スタートすることになるかと思います。
最終回は、かつて「出口出」というペンネームで脚本を書かれておられたことを想起させられる、「自分の劇場の外に出ろ!」というメッセージです。
これから映画を作る若い人にも読んで頂きたいインタビューです。

マニエリスムにしろ、シュールレアリスムにしろ、『もう我慢できない』という異議申し立て、それすら押さえつけられる限界の中で、作家たちの個人決起が運動になって行った。いまは自分たちで作った壁、その壁の内側が全部だと思っている。だけど部屋のなか、自分の城の中の問題じゃない。壁にかかっている絵の問題じゃない。そこを開いて……閉じたらいけない。箱の中の発想を疑って壊そうと言いたい」(足立さんの発言から)

集団的自衛権が容認され、安倍首相がイスラエルの首相と握手するご時世に、足立監督が、パレスチナ自爆テロをする若者の映画『パラダイス・ナウ』が持つ意味について語っておられているのも読み逃せません。

「棒がなければ鉛筆でもなんでも武器にして闘う思想こそが、人民の軍隊の戦力の基本に置かれなければいけないところで、何かしら、自分の準備のなさ、自分の弱さ、あるいは自分のわからなさを、観念的な“武器”で置き換えようとすることが問題なんです」(足立さんの発言から)

オンラインVHSレンタル店「カセット館」館長の後藤健児さんによる連載では、昨今すっかり定着した「POV」映画について、総論的な文章と、現時点でのオススメ作品を網羅して頂きました!POV映画の特徴を三点挙げ、代表作を紹介していく筆致にはわくわくします。何から見ていいのかという人にも良いガイドです。

山口あんなさんによる、映画から違う国の文化や思考をさぐる連載「世界を知るための映画」では、映画『あなたを抱きしめる日まで』をテキストに、キリスト教国における「ゆるし」について、考察します。

そして今回は新連載も始まります。
映画&テレビのコラボによる動物シリーズのヒット作『幼獣マメシバ』について、秋の新作映画『幼獣マメシバ 望郷篇』の公開まで、これまでの作品についての真正面からのガチ評論を、同シリーズの全作品DVDを持っている大神明香さんに書いて頂きます。

この動物シリーズ、僕も大好きです! 単なる癒し系ドラマに留まらない、ひきこもり中年の外に出れない感覚が意外にリアルなエッジの効いた作品群で、いつかこのメルマガでもと思い、大神さんにお願いした次第です。

百地優子さんによる連載『女子ときどき、ピンク映画』。今回は、ずばりピンク映画の脚本家になるには!デビューの経緯を振り返って頂いてます。男が見る「許せるダメ男」と、女が見る「許せるダメ男」の違いなど、興味深いです!

Shin Battlebabesさんはなんと、廃墟となった旧上野オークラ劇場で、女優さん(倉沢いちはさん)をモデルに写真を撮りおろしてくださっています。
なんと豪華!

ではどうぞ、御一読ください!
初めての方、最新号から一カ月はタダで読めます。
そこでやめても結構です。
まずは入ってみようよ。
入ればわかるさ!
http://yakan-hiko.com/risaku.html