夏の花火よりも豪快な映画レビュー千本ノックひた走り中！
映画批評メルマガ『映画の友よ』
http://yakan-hiko.com/risaku.html
今回は8月8日公開の『STAND BY ME ドラえもん』論が巻頭を飾ります。この映画は、いままでいくつもの作品があった、『ドラえもん』の映像化作品の、ある決定版だと思います。
加えて、初の演劇レビューでは、『愛の渦』『ボーイズオンザラン』など映画の監督としても知られる、劇団ポツドール主宰の三浦大輔作演出による、峯田和伸・池松壮亮主演作品『母に欲す』を論じさせて頂きました。
「映画の友よ」初の演劇ネタであるばかりでなく、私自身にとっても、初の長編演劇批評です。映画と演劇の違いを、両者を往還する三浦さんの作品を通して見つめます。
また『STAND BY ME ドラえもん』『母に欲す』の共通点として、男のどうしようもなさと、そんな男から見た母的なものと女性的なものへの考察を喚起させるところがあります。
そして、日本映画の生けるイコンたる吉永小百合の新作『ふしぎな岬の物語』を考察。これもある意味「日本映画のグレートマザー」のあり方に言及した映画だと思います。
新作レビューでは、80年代といまの青春を、『ホットロード』『好きっていいなよ』という、ほぼ同じ構図を持った新旧少女マンガを原作とする二作についての文章を比較して読んで頂くと面白いと思います。
他に、女優・亜紗美さんがアメリカで血まみれバイオレンスに挑戦した『女体銃』、ＳＭではなく拷問を通して描く青春『ちょっとかわいいアイアンメイデン』、佐藤佐吉監督のブラックユーモアのセンスが光る『奴隷区 僕と23人の奴隷』、幻の夢と偽りの現実に迷い込んだ『烈車戦隊トッキュウジャー THE MOVIE ギャラクシーラインSOS』『劇場版 仮面ライダー鎧武 サッカー大決戦!黄金の果実争奪杯!』のレビューに挑みます。
オンラインＶＨＳレンタル店「カセット館」館長の後藤健児さんによる連載では、鬼才かつエンターテナーである、先日ご逝去された鈴木則文監督の『エロ将軍と二十一人の愛妾』と『徳川セックス禁止令 色情大名』を、若い世代の新しい切り口で語ります。
公開中『太秦ライムライト』の、吉川まいこさんによるルポ第６回は、時代劇のラストサムライ福本清三さんの涙が、映画のストーリーの行間の「現実」に根ざしていた事が明かされます。
現場のスタッフには気持ちとして暗黙のうちに伝わっていることを吉川さんが言葉にされ、映画を見ている人にはより伝わり、見ていない人にも期待をかきたてると思います。
秋に新作が公開される、動物シリーズのヒット作『妖獣マメシバ』についての大神明香さんの原稿、今回は劇場版二作目『マメシバ一郎 劇場版』に突入。佐藤二朗演じる主人公のひきこもり中年の、なにげない言葉から発するサインを微細に読み取っていく大神さんの長編批評、今回も読みごたえあります！
脚本家・百地優子さんには今回、友松直之監督の、この夏の問題作『レイプゾンビ』を、創作に関わった側からの真相を暴露していただいてます！
小佳透子さんの連載寄稿「眼福女子の俳優論」では、あの『007』の新「Ｑ」であるベン・ウィショーの魅力を通して、女性が感じる男性の可愛さに迫ります！
ではどうぞ、御一読ください！
最新号はいつでも無料で読めます。
────────────────
今週の目次
────────────────
[00]ごあいさつ
[01] 今号のイチオシ！『STAND BY ME ドラえもん』は恋する時間を描いた映画
[02] 三浦大輔作演出、峯田和伸・池松壮亮主演『母に欲す』観劇記
[03] 連載寄稿 カセット館長の映画レビュー 第14回 鈴木則文監督追悼鑑賞『徳川セックス禁止令 色情大名』に見る「性の管理」
[04] 連載寄稿 女子ときどき，ピンク映画 第17回 レイプゾンビ完結編に寄せて 筆・百地優子（脚本家）
[05]日本映画ほぼ全批評
・ホットロード
・好きっていいなよ
・ふしぎな岬の物語
・女体銃
・ちょっとかわいいアイアンメイデン
・奴隷区 僕と23人の奴隷
・烈車戦隊トッキュウジャー THE MOVIE ギャラクシーラインSOS
・劇場版 仮面ライダー鎧武 サッカー大決戦!黄金の果実争奪杯!
[06] 連載・時代劇を支えてきた男達 第６回 『太秦ライムライト』を支えている“縁の下の”男たち 福本清三さんがあるシーンでみせた“涙”のわけ、仲間のこと 筆・吉川まいこ
[07] 映画「幼獣マメシバ」シリーズに観る人間考察 第２回 『劇場版 マメシバ一郎』筆・大神明香
[08] 連載寄稿 眼福女子の俳優論 ふてぶてしさの中にある可愛さ〜『007スカイフォール』に観る、ベン・ウィショーの魅力〜 筆・小佳透子
[09]あとがき
