愛・地球博とロボット その1

PaPeRo2005-08-14

■はじめに

 6月に新聞の取材で愛知万博に行きました。
 http://mytown.asahi.com/aichi/news01.asp?c=40&kiji=237

 その時に、記事に収まりきれない個人的レポートを書いていました。
 愛知万博もあと一ヶ月と少しで終わります。
 残り少ない期間に、これから行くという人、行った思い出を反芻したいという人に、これから一日一つのトピックごとにレポートを期間限定で公開していきたいと思います。
 なので、ブログの日付は内容と無関係です。
 各パビリオンの展示内容は、6月の時点とは変わっている場合もあるかもしれません。
 そして、これはあくまで私の主観であるということ。
 上の点をご了承いただいてから、お読みくだされば幸いです。
 補足事項がもしありましたらコメントくださればうれしいです。

 私は自分のHPを持っています。
 http://www.gont.net/risaku/krdsh.shtml
 自分のHPでこれを公開せず、ブログで行うのは、私の名前で検索するのではなく、「愛・地球博」でヒットした人にも読んでいただけるのではないかと考えたからです。詳しい人には、参考にならないかもしれませんし、おこがましいですが。
 私は普段ライターをやっています。私の活動やプロフィールについては上記のHPをご参照ください。

 では、2005年日本国際博覧会愛・地球博)レポその1です。


愛・地球博とロボット その1

 今回の万博のテーマのひとつが「循環型社会」。

 そんなわけで、トヨタグループ館ははじめに取材担当の方が、建築が「リユース」をモットーに溶接をせず、ボルトを空けない環境にやさしい工夫をしたと説明してくれる。また再生可能材料として紙で壁を作っているというからコンコンと叩いてみた。なるほどコレが紙の音かァ。
 
 やがてステージを何重かの観客席が囲む会場内で、ハウスバンドのロボットパフォーマンスが始まる。
 たしかにショーは面白い。天井からロープで降りてくるダンサーの、まるで空を舞うような姿。それが最初は上からひらひらと舞い降りたひときれの布にしか見えない。

 だがよくよく考えてみると、その面白さは、全部生身の人間のパフォーマンス部分なのだ。
 人間たちと競演する、本来「主役」であるはずのロボットや未来カー(未来コンセプトビークルI-unit)は、単調な動きしかすることが出来ないのが、たとえば会場を盛り上げようとする人間のラッパーっぽい司会者のノリノリぶりなどと対比するとかえって目立ってしまう。
 二足歩行型と車輪走行型で、『聖者の行進』などを演奏。
 会場の人たちも手拍子や唱和に協力。善意ある人々に見える。

 でも数百人収容できる会場には当然増幅された音が響き渡るわけだから、それが「吹いた」ものなのか、あらかじめ録音したものを流しているだけなのかという明確な違いがわからない。演出的に残念な部分だった。
 実際には人口唇で「吹いて」いるらしいのだが、むろん動きは事前にプログラミングされているわけだから、それは原理的に録音したものを再生したのと変わらないわけで、ロボットの「ライブ演奏」というものはいったいどういう意義があるのか、わからなくなってしまった。
 「ロボット」という命題にはそういうパラドックスがあるのではないか。 
 DJ役の車輪走行型ロボットも登場。でもそのラップ・パフォーマンスも、あらかじめ録音されているのか、口から発語されたものなのか。