愛・地球博とロボット 愛玩編
ロボットステーションの続き。
ロボットステージのすぐ横ではゴマちゃんみたいな「癒し」用ロボ『メンタルコミットロボット パロ』が常設展示で実際触れる。撫でると「くう〜ん」と喜び、まばたきし、ヒゲをいじると嫌がる。
私も撫でようとしたがあるおばさんがいつまでも撫でているのでなかなか番がまわってこない。
やっと撫でることができたが、本物の猫を撫でてる方がええわ。
でも名前を呼ぶと反応するというので、周りの誰にも聞こえないように、照れながら「パロ」と声をかけた。二度ほどやってみたが「くう〜んくう〜ん」と言っているばかりで、呼んだ反応があったのかどうかはわからない。
みんなに撫でられているので、自分が触っている時点ではなんとなく薄汚れているような気がしたが、後でパンフを読むと、抗菌・汚れ防止・抜け毛防止などが施されていて、隔離病棟などでも患者を癒すことができるらしい。失礼しました!
でもなんか空しい感じがするなあ。
他にも、子どものお遊び相手ロボPaPeRoが居て、頬を触ると照れて赤くなったりする。子どもとのふれあいルームはまるで保育園の一室だ。
おばさんたちが話しかけては反応に目を細める。
外にはゴミ箱交換ロボット・スバルロボハイターT1がいた。
先ほどから再三書いているがロボットのいるコーナーで目立つのはおばさんたちの素朴な反応である。
彼らはちょっとしたことでも歓声をあげ、目を細めてみせる。この場を楽しもうとしている。数分の展示映像でも「乗ろう」とする。
昭和の匂いがする。
まだ娯楽が多様でなかった時代。遊びに時間が割けなかった年代。
万博は「みんなが集まる場所」の記憶の残滓かもしれない。
いまの若い女性は、僕と同じ年齢ぐらいの人にして既にそうだが、50台以上のオバちゃんほど表情むき出しで素朴な反応はしないような気がする。年をとったら大胆になる人も大多数ではないだろう。
ユピキタスで希少動物に触れるというパビリオンがあった(後述)が万博に来る中高年の女性こそが希少動物ではないか。彼らを保護するにはどうしたらいいのか。保護する必要があるのか。保護しないと万博はもうこういう形では成り立たないのではないか、などといろんな思いが去来した。
ここでも考えるのはロボットより人間のことだった。