愛・地球博の映像 絶滅動物編

PaPeRo2005-08-22

 最先端IDの日立は超小型ICチップ「ミューチップ」(0.4ミリ角という極小チップの中で38ケタの数列を認識。毎日一億個生産しても百億年は番号が重複しないらしい。その形状と応用力から食品や医薬品の安全性・品質の情報管理や、紙幣の偽造防止としても期待されている)を愛・地球博の入場券に導入。一枚一枚に固有の認識番号を付与する。

 日立グループ館は入るとまずプレショーとして小型HDDが搭載され燃料電池で動いているという小型機械(情報表示端末Nature Viewer)を手渡され、会場のところどころにある約50種類の絶滅の危機に瀕した希少動物の展示物にくっつけるとそれだけで情報が取り込まれ、機械のディスプレイで名前・分布・生息環境などのデータや動く姿が見れるというのから始まる。

 それがすごいことだというのは理屈ではわかるんだが、でも直接には図鑑に書いてあるような説明をただ画面で読むだけなので、便利さが飛躍的に得心されるという感じではない。もっと多くの情報が瞬時に処理されるとか、万博会場内全体に設置された、たとえばトイレや水道管などごくささいなものでも当てれば情報が取り出せるとか、それを構成している物質の成分がわかるとか、そこまでしてほしかった。

 次にライドに乗ってスコープをつけてジャングルや海の中を仮想体験し、写った希少動物を下から見たり横から見たり自由に視点によって立体として見れる。ぶつかってきたり、手(ハンドセンサーを装着)に乗ってたり、手に浮かんだ「餌」を放り投げると猿(ヘンディーウーリーモンキー)が取って食べたりするMR(現実の空間とバーチャルな空間を融合させた複合現実感)体験というやつだが、要するに3DCGの合成を、映画のように1コマ1コマ合成していくのではなく、リアルタイムに継ぎ目なく出来るということ。たとえば手を左右に動かしても、手のひらに乗っかっている動物は一緒に動く。これもたしかに簡易的な特撮と考えれば手間がかからないという意味で進んだ技術といえるが、ただ本物の動物に見えるというまでのことはさすがになく、立体映像だということは丸わかりなので、まあ、映像パフォーマンスだよねーという感じ。

 「取材/撮影時の諸注意」のひとつとして、撮影は著作権上の問題から「ツキノワグマ」「ライオン」「レッサーパンダ」「ユキヒョウ」の四種類に限定許可だって。
 大自然の希少動物も著作権とは無縁ではないのであった。