あなたもサツキとメイになれる!?

PaPeRo2005-08-26

 サツキとメイの家
 昭和30年当時の和洋折衷住宅を中京地区の大工さんが忠実に再現したもの(http://www.kino-ie.net/genba_071.html)だけど、実に良かった。
 っていうのは「留守宅感」があったから。
 古い民家が単なる廃屋や空き家に見えるんじゃなくて、さっきまで人が居たんだけど、いまは留守なんだという空気がちゃんとあって、で、留守にしてるのは、サツキやメイちゃんであり彼女たちのお父さんということになるんだけど、考えてみれば彼らはアニメの中の住人である。
 もし立体映像とかでこの家に彼らの姿が投影されたとしたら、とたんに興醒めになること間違いない。
 「さっきまでここに居た」という気配は、立体映像よりも、実はバーチャルなのではないか。
 そしてそれはわれわれがアニメの絵を通して実感していた「現実」であり、その只中にいま自分が居る、ということの興奮をわかってもらえるだろうか。
 
 サツキの赤いランドセルが机の横にかけられているのを目の当たりにしたとき、思わずぐっと来てしまった。
 留守中に女の子の家に思わず入ってしまったような。バレれば自分は「侵入者」か!? でも田舎の近所づきあいなら、縁側越しに中が見えるのはおかしくない。台所は土間になっていて出入りが簡単に出来るのだから。そんなこちらの立場の「揺れ」すらもバーチャルだ。

 その土間からは、もちろんあの井戸が見える。傍らにはメイが「おじゃまたくし」を掬おうとするのに使った穴の開いたバケツもある。

 サツキとメイが揺さぶったバコラの柱もあるし、お父さんの書斎もある。庭から、花を並べたメイ目線で見上げてみる。
 汲み取り式トイレにちゃんとごわごわの尻吹き紙が置いてあるのもいい。ただ便器の蓋に「使わないでください」と注意書きがあるのにはウケた。思わずまたがってウンコしてしまったら、臭いつきのバーチャルだ。井口昇さんが、美少女のウンコも自分のウンコも同じように臭い、だから脳内で自分と女の子を置き換えてしまえるのだと著書『恋の腹痛』に書いていたが、まさにこれもまた想像上の同一化だ!


 付記をば。
 サツキとメイの家は、一番近い入り口の西ゲートからでさえ、足の遅い人は30分ぐらい見といたほうがいいです。えんえんとグローバル・ループを行き、日本庭園の、さらに外れにあるので、目印の標識が出てからでもかなり歩きます。予約した人はせっかくだから時間に遅れないように気をつけましょう!