魔界大冒険

  一昨年講師をしていたフェリスの学生から、ゼミの宿題であるインタビュー実習ということで取材受ける。この件は事前に担当教授から連絡も来ていた。この学生は学校の寄宿舎に住んでいるというから、私の自宅までご足労いただいたことになる。若者とはいえちょっと恐縮。
  『サンタ服を着た女の子』につい勢いで書いてしまった「女性は恋に溺れる前に自分を磨け」という記述について「女性は運命の人が何人も現われる、というのにはそのとおりだと思いました。でも自分を磨くってどうすればいいんですか」と言われ、焦る。えらそうなことは書いちゃいけないね。

  漫画論の単発原稿で担当氏と打ち合わせ。
  雑談で、今度の『ドラえもん』は『魔界大冒険』のリメイクなのだが、真保裕一氏が脚本を手がけるという話を聞く。あのアクロバティックな原作がさらにどう脚色されるのか、楽しみだ。『魔界大冒険』は毎日コンクール、大藤賞で一緒に選考委員をさせていただいている鈴木伸一さんも一番好きな大長編だとおっしゃっていた。
  火がついたので家にある『魔界大冒険』単行本と、藤子F先生監修のひみつ道具図鑑をめくる。この図鑑はひみつ道具の用途と使った場合のオチまで書いてあるから、漫画の展開が瞬時によみがえって面白い。
  僕の子どもの頃は第二期ウルトラシリーズのオンタイムだったけど、出版展開は第一期の講談社メインから第二期は小学館になって、第一期の怪獣データのプールが下敷きなど色んなアイテムで展開された。ドラえもんひみつ道具ポケモンはそれをひとつの作品で開陳したもので、小学館お家芸と言っていい。作品そのものだけでなくこうした図鑑文化も子ども文化としては見過ごせないものだ。もちろんそうした書籍における藤子プロの漫画家さんたちの優れた仕事ぶりも見逃せない。