12日は中村うさぎさんとクリスマス!


昨年、クリスマスの季節に合わせて『サンタ服を着た女の子』という本を白水社より上梓いたしました。これは、私が講師をしている大学の女子学生から聞いた話がベースになっています。倦怠期になった彼氏から求められない寂しさから、クリスマスの夜、自ら作ったオリジナルデザインのサンタ服を着て、夜に待ち構えて驚かせた、と。
 そしてその悪戯心に隠された、とても切実な気持ちを知りました。
 そこで、その女子学生が、いろんな女の子にサンタ服を作ってあげて、それぞれ自分の彼氏や想い人を驚かせてみる、という本を企画しました。

 その本を出して三カ月ほどたった頃、人に勧められて中村さんの『私という病』を手にし、「どうして私は、女であることを、おおらかに堂々と楽しめないのか」という最初の一行ですでにガツンと来てしまいました。
 これはまさに『サンタ服を着た女の子』を通して私が知ることのできた、女子学生たちの叫びだと思ったのです。彼女たちにとってサンタ服を着たい、というのは、決して軽い女の子に見られたいわけでもなければ、誰彼かまわず誘惑したいわけでもない。それは中村さんがおっしゃった、「曲がりくねった道」の先にある「必要なプロセス」だと思うのです。
 私がサンタ服本で出会った女性たちは中村さんのおよそ半分の年齢ですが、それでもすでに、このような感覚を持っています。
 いまの学生は人とつながる回路として、早くから性的な対象と見られ、しかも、なかなか「このあたりで卒業」というゴールがない。彼女らにとって、中村さんのおっしゃるように、フェミニズム的正論の中からではなく、自分の性を奪い返すということはとても重要な命題であると思います。

 それを私の本では、あえてサンタ服を身につけるという、一見ポップな遊び心の中にある「切実さ」として表現しましたが、中村さんはもっとヒリヒリしたところで、直にぶつかり合いながら掴み取ろうとしておられます。
 私には、彼女たちと中村さんが、『私という病』での分身探しでいう「分身」のように思えてきました。「あなたの中に『眠れる姫』はいるか」という問いを彼女たちにぶつけてみたいと思いました。

 そこで今年「サンタ服を着た女の子」イベントでゲストの方においでいただく際、中村さんのお名前が真っ先に浮かびました。また僕の周囲の人間も、もし中村さんに来ていただくならすばらしいと言っていました。

 そして中村さんにOKいただき、また当日サンタ服を着ていただくことになりました。サンタ女子も、中村さんに自分の作ったサンタ服を着ていただけたらこれ以上の幸せはない、と申しております。

 とても奇矯な企画に見えるかもしれませんが、私としては真剣にお願いしました。女の子にとってのクリスマスのせつなさの正体を知りたいという皆さん、あるいはうさぎさんファンの皆さん、あるいはただ単にサンタ女子とクリスマスを過ごしたいという男性の皆さんも、ぜひおいでいただければ幸いです!
 サンタ服を着て来てくださったら割引します!


12月12日(水)
燃えよ(萌えよ)中央線vol.1
『サンタ服を着た女の子〜死闘編〜』
中村うさぎとサンタ女子のクリスマス! 〜あなたに「眠れる姫」はいるか?

「なぜ女であることをおおらかに、堂々と楽しめないのか?」をテーマに、中村うさぎが自らサンタ服になって問いかける。プラスワン好評プレXマスイベントが阿佐ヶ谷で実現!

【出演】
中村うさぎ
【司会進行】
切通理作&ガーリーサンタ

OPEN18:30 / START19:30
前売¥1,200(飲食代別)
当日¥1,500(飲食代別)
前売はローソンチケットにて11/10〜発売(L:34143)
場所:阿佐ヶ谷ロフトA
東京都杉並区阿佐谷南1−36−16ーB1
JR中央線阿佐谷駅パールセンター街徒歩2分

阿佐ヶ谷ロフトA HP
http://www.loft-prj.co.jp/lofta/