いよいよ明日書店に、 『宮崎駿の<世界>』増補決定版!


   『宮崎駿の<世界>』増補決定版、奥付では明日刊行となっています。
   単行本の刊行日の記述はアバウトなことも多いですが、文庫や新書は毎月の刊行日が決まっているので、ほぼ正確。
   皆さん、お近くの書店の文庫コーナーにお立ち寄りくだされば幸いです!

  本書は2001年7月、宮崎駿監督『千と千尋の神隠し』の公開と同時に出版された、ちくま新書の『宮崎駿の<世界>』を大幅に加筆したものです。

 その後に公開された『ハウルの動く城』と、この夏から秋、そして冬にかけていまだ大ヒット公開中である『崖の上のポニョ』、そして三鷹の森ジブリ美術館およびそこで上映される短編の宮崎駿監督作品すべてについて新たに書き起こしています。それだけでも本一冊の分量はある書き下ろしになりました。

 そして、葛飾北斎と並び称された『崖の上のポニョ』の圧倒的な波の表現が、宮崎駿の初期作品から脈々と流れる、「水」という目に見えないものへの取り組みの積み重ねだったという視点に立ち、前半の旧稿部分も全編に渡って書き直しを行っています。

 新書版から文庫版までの七年間に、以前は公表されていなかった資料や証言で新しくわかった事実も可能な限り盛り込みました。

 加えて、巻末の養老孟司さんとの対談では、近年の宮崎作品に対してともすれば囁かれがちな「作画はすごいが、ハリウッド的な起承転結に当てはまらない。ゆえに完成度は低い」という俗評を根本からひっくり返し、世界に誇れる真の普遍性とは何かを浮き彫りにしています。 

 加筆部分だけで二〇〇ページを越え、総ぺージ数は六二〇ページの大冊となりました。
 宮崎作品を数本見た程度の人から、一家言あるファンまで、すべての読者に開かれた本となるよう取り組みました。

 ぜひご一読・ご批評お願いいたします。