すべては動いている
水魚の波を駆けるポニョの絵と共に、今回『宮崎駿の<世界>』文庫版の帯には「すべては動いている」という惹句を付けてみました。
あの、うごめく波と共に駆けるポニョの姿は、すべては動いていることの謳歌に見えます。
この文句は、もちろん「この世界にあるものは、みんな動いています」という、ジブリ美術館の常設展示に掲げられた言葉に触発されたものです。
今回の文庫版における巻末採録の対談で養老孟司さんは、情報を処理している自分の方は「動いていない」と思い込んでいるのが人間の愚かさだと、おっしゃっていました。
宮崎駿監督は「映画とは時間だ」と語っています。
いま話題の『生物と無生物のあいだ』の著者・福岡伸一さんは、「動的平衡」という言葉を使っています。「動的平衡」のポイントは生命が時間存在であるということでしょう。機械がパーツの組み合わせで部品は後からでも入れ替え可能な無時間的なものとするならば、生物は動的平衡というバランスを保ちながら一回性に過ぎていく時間軸にある存在、つまり「流れ」だというのです。
「海辺に立つ砂の城は実体としてそこに存在するのではなく、流れが作り出す効果としてそこにある動的な何かである」(『生物と無生物のあいだ』より)
宮崎作品に何度見ても耐え得るものがあるとするならば、そのことを意識した表現だからだと、私には思えてなりません。
「アニメ昼話 ポニョとハヤオを語りたおす!」
宮崎駿は<神>なのか? あるいは破綻した作り手か?
全作品に隠されたものをさぐる。
【出演】切通理作(著者)
竹熊健太郎(サルでも描けるまんが教室)
氷川竜介 (BSアニメ夜話・アニメマエストロ)
11月3日(月・祝)
OPEN 12:00 / START 13:00 前売¥1000/当日¥1500(共に飲食代別)
会場 ロフトプラスワン (新宿区歌舞伎町1-14-7林ビルB2 03-3205-6864) http://www.loft-prj.co.jp/PLUSONE/
前売は店頭およびネット予約
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