「ストイック」な人

    立松和平さんが亡くなられましたね。
  僕は編集者時代、一度だけお会いしたことがあります。
  作家としてのご自分に自足せず、ボクシングを訓練された経緯を中心に伺いました。
  初めに字数を訊き、そのあと一定時間お話しになり、あとで文字に起こしてみると字数ピッタリ。
  ご発言まで、贅肉を削ぎ落とされているのだなと思いました。

  テレビで見る、あの朴訥な風貌の奥からはストイックな生き方がにじみでているように感じておりました。

  僕などその後もユルく日々を重ねただけの人間ですが、若いうちに「スゴイ人」と一度でも会ったということは、意味のないことではない気がします。

  立松さんのご冥福を心よりお祈りいたします。