サンタクロースへの手紙
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本体と並行して、ネット版号外として、公開中の映画『サンタクロースがやってきた』(公開中)の監督・蜂須賀健太郎さんがお勧めするクリスマスに見たい映画についてトークしています。『三十四丁目の奇蹟』と『素晴らしき哉、人生』の二本です。今日はその三回目。
◇見終わると感動してしまう
切通 『三十四丁目の奇蹟』でサンタを名乗る老人が「本当なのか?」って裁判にかけられるんだけど、最後子ども達や人々から来た手紙のあて先がサンタクロースだというのが決定打になるというのは、シナリオとしてすごいよく出来てる。
蜂須賀 彼がホントにサンタクロースかどうかっていうのがすごい騒がれて、それを読んだアメリカ中の子ども達、もしくは大人も含めて、サンタさんへ励ましの手紙が届くんですよね。
切通 検事が「子ども達がサンタを信じているのはわかった。じゃあこの老人がサンタだという証拠はどこにあるんだ」という切り口で攻めてくる時に、弁護人が切り札として出したのが、人々から集まった手紙。
でも映画の上映時間の中で、その何千何百という手紙の内容をどうやって伝えるんだ?……と見ているこちらが思っていると、手紙の宛先がサンタであると。それがサンタの実在を雄弁に表していると。
その決定打を出す直前に、弁護士が、郵便局というもの自体が公共の存在としていかに信頼に値するものであるかということを前提として言うんだけど、あれが象徴的な感じがして。
蜂須賀 ああ、なるほど。
切通 サンタクロースももともとはプレゼントの届け人じゃないですか?
そこも象徴的な感じがしました。今度はサンタを助けるために人々が贈りものを届けてくれた。「サンタを信じている」という贈りものを。
蜂須賀 サンタさんにエールを送るというか、気持ちを傾けてくというか。
基本的に『三十四丁目の奇蹟』は、観終わると感動してしまうというか。心が洗われる気持ちになる映画ですよね。ドラマの組み立てにいつのまにかハマってしまう。
切通 結局あのおじいさんがなんなのかっていうのは明示しないんですよね。
蜂須賀 本当にサンタクロースだったのかどうかっていうのはね。でも、最後ステッキが映る所で暗示している。
だからあの映画のすごい面白いところは、そういう現実みたいなところの中での、ファンタジーなんじゃないかなと。
いまでもアメリカではクリスマスになると、みんなが何度も見てしまうこんな映画が、もう作られていたっていうのは、すごいことだと思いますね。
『サンタクロースがやってきた』
新宿K'sシネマにてクリスマスロードショー!
12/14(土)から12/27(金) 連日10:00より
大阪、シアターセブンにてクリスマスロードショー!
12/21(土)から12/27(金) 連日16:00より
『サンタクロースがやってきた』公式サイト
サンタクロース上映前舞台挨拶&会見決定!
12月16日(月)午前10時より
新宿K'sシネマにて、映画に出演したフィンランドの、本物のサンタクロースの舞台挨拶&会見が行われます。
このブログ、明日も蜂須賀監督との対談が続きます。明日も「クリスマスにおすすめの名作映画」について語ります!
監督プロフィール
蜂須賀 健太郎(はちすか けんたろう)
1965年生まれ。デジタル•コンテンツ、ミュージックビデオ、アニメーション、キャラクターなどのさまざまな映像作品を監督。主にファンタジーを基盤としたものが多い。映画作品に、『黄昏のアインシュタイン』(ヴァンクーバー国際映画祭、サンフランシスコ•アジアアメリカ国際映画祭正式出品)、『アクアリウム』(福岡アジア映画祭正式出品)などがある。
『三十四丁目の奇蹟』Miracle on 34th Street
監督・脚本ジョージ・シートン
原案ヴァレンタイン・デイヴィス
製作ウィリアム・パールバーグ
出演者 モーリン・オハラ
ジョン・ペイン エドマンド・グウェン
音楽 シリル・モックリッジ
音楽監督 アルフレッド・ニューマン
撮影 チャールズ・クラーク ロイド・エイハーン
配給 20世紀フォックス
公開 1947年
上映時間 96分
製作国 アメリカ
DVD販売 http://p.tl/wpUA