本日公開『花火思想』を応援します!

 

 頭を殴られたようなショックを受けた。いま自分がここに立っていることを問い直される。「何かに反抗しているように見えて、何かに寄りかかっていはしないか」「野心を持っているかに見えて、実は思考停止していないか」……若者の青臭い叫びだと一笑にふすことは出来ない。これからもフト立ち止まった時、何度も振り返る石ころのような映画になるだろう。(文筆者・切通理作


 これが、本日1月25日から公開される『花火思想』という映画に寄せた、私のコメントです。
 上映館である渋谷ユーロスペースの壁が、さまざまな人々のコメントでいっぱいになるそうです。

 公開前、既に多くの人の心の中に入り込んでいるこの映画、メルマガ『映画の友よ』でも、創刊号のレビューで、「頭を殴られたような衝撃」と形容。
 2号から、最新号である第4号にかけて、監督の大木萠さんと、脚本・撮影の阿佐谷隆輔さんと映画について連続トークしています。
 http://yakan-hiko.com/risaku.html

 楽器を持つことがロックじゃない。生き方でロックするんだ――。
 そんな気恥ずかしいばかりの思いを持って生きようとする青年。
 行くあてのない自分をそのままのかたちで見つめるために、フト出会ったホームレスの男についていく――。

 ただひたすらその初期衝動のみで作り上げたような、映画メルマガを始めた出会いがしらにぶつかってしまったこの衝撃から、目をそむけるわけにはいきませんでした。

 生きることには目的がなければならないの?
 才能がなければ野心を実現する武器にはならない?

 「否、そんなことはないはずだ。かつて俺たちにだって<何かが降ってきた>瞬間はあったじゃないか」。そうまっすぐ問いかけてきます。

 一人の若者男子が書いた、魂の雄叫びのような一冊の脚本から始まった映画。

 しかし、この映画を監督としてまっとうしたのは「女性」監督。

 この映画が、最初、初日でつまづき、流れてしまったのはなぜか? にもかかわらず、完成までさせた道のり・・・・・監督の大木さんと、脚本・撮影の阿佐谷さんとの「性差」にも直面しています。

 「もっと俺を愛してくれよ!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2014年1月25日(土)より 渋谷ユーロスペースにて2週間限定ロードショー

『花火思想』公式サイト http://hanabishiso.jimdo.com/


監督 大木萠
脚本・撮影 阿佐谷隆輔

出演 櫻井拓也
久保健司
モロ師岡
芹澤興人 勇人
岡英里子 四宮勘一
瀧口修平 金村英明


■メルマガ『映画の友よ』イチオシ映画『花火思想』公開前連続トーク
http://yakan-hiko.com/risaku.html
・第一回 映画の出発点――脚本家がカメラマンであることの理由
・第二回 「音が聞こえてこない」ことにロックがある――「花火思想」とは何か?
・第三回(最終回)「もっと俺を愛してくれよ!」〜<男の子の世界>での女子の役割とは?