『寄生獣』『紙の月』・・映画の友よ最新号冒頭!

映画について語り合いたいメルマガ『映画の友よ』。
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最新第24号、配信されました!


今回も、冒頭部分公開します!

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Presented by 夜間飛行
“The Book Project 夜間飛行”では、次世代の「本」の形を提案します


2014年11月28 日 Vol.024 
<『寄生獣』『マタンゴ』人間が人間であることの理由><セックスと死そして人生『ニンフォマニアック』『ダラス・バイヤーズ・クラブ』><追想羽仁未央さん><『紙の月』と『桐島』は同じ映画><十億ヒット『近キョリ恋愛』の必勝演出><Vシネ、ピンク映画のターニングポイント>ほか

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00 巻頭告知
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次の号で創刊一年を迎える当メルマガ「映画の友よ」。毎月第2、第4金曜日の発行になってから二号めです。

今回、私の連載「特撮黙示録」と、後藤健児さんによる連載寄稿でとりあげたのは、同化増殖する怪物の恐怖。『寄生獣』公開を機に、異質なものが我々のこの世界に侵入することの意味や、人間を人間たらしめるものについて考察します。

後藤さんは今月出たばかりの拙著『本多猪四郎 無冠の巨匠』を読んでくれて、ジョージ・A・ロメロ監督のゾンビ映画以前に、本多監督が同化増殖する怪物の恐怖を描いた『マタンゴ』から論を始めています。

創刊号以来の、百地優子さんの連載「女子ときどき、ピンク映画」が、今回でいったん最終回を迎えることになりました。事情については原稿に詳しいですが、本メルマガでは近日、百地さんの連載をまとめたものを出したいと考えています。
ピンク映画の脚本を書いてきた立場の百地さんによる証言は貴重でした。映画史の一つとして、残していければと思います。

創刊号以来、断続的に続けていた不定期連載「セクシー・ダイナマイト」が、久しぶりに蘇ります。性依存症とも色情狂とも言われる女性の半生をリアリスティックに追いかけた『ニンフォマニアック』がテーマです。

性の問題も人生に喰いこんくると、単なる刺激だけでない重みを増してきます。
山口あんなさんの連載では 映画『ダラス・バイヤーズ・クラブ』を扱い、エイズに発症した主人公たちが、生きる方途を自分たちで見つけていこうとする姿勢に焦点を当てます。

セックスも、生きていく長さも自分自身で決めたいものですね。
でも「普通」って、なんでしょう?

先ごろ亡くなった羽仁未央さんの映画コラムから、かつて私は「普通」という事を見つめ直す経験をしました。同世代の彼女の逝去はとても残念ですが、その事を今回振り返ってみました。

ではどうぞ、御一読ください。


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01 今週の目次
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[00] 巻頭告知
[01] 今週の目次
[02] 特撮黙示録1954−2014 『寄生獣』から特撮映画の「日常描写」を考察する
[03] 連載寄稿 カセット館長の映画レビュー 第21回 『マタンゴ』から『エヴァ』まで個を捨てよ、一つになろう 感情の喪失で世界統一される日米SF  筆・後藤健児
[04] 『紙の月』と『桐島、部活やめるってよ』は同じ映画
[05] 連載寄稿 女子ときどき、ピンク映画 筆・百地優子 第23回(最終回) さようならピンク映画
[06]ピンク映画の「中締め」はコレだ! イチオシ映画『新人巨乳 はさんで三発!
[07] そしてVシネマのターニングポイント出現 『25 NIJYU-GO』
[08] 不定期連載 セクシー・ダイナマイト 『ニンフォマニアック』をヤリマン女性と見に行くの巻
[09] 連載 世界を知るための映画 生きる長さは自分で決める〜1980年代アメリカのエイズ医療を巡って 映画『ダラス・バイヤーズ・クラブ』 筆・山口あんな
[10] 羽仁未央さんへの追悼ではなく追想
[11] 十億ヒット『近キョリ恋愛』の必勝演出
[12]あとがき

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02 特撮黙示録1954−2014 『寄生獣』から特撮映画の「日常描写」を考察する
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この作品はCGが随所に使われ、またメジャー映画としてはギリギリの残酷描写にも挑んでいる。しかし今回は公開までにメイキング記事がいっぱい出るであろう特撮シーンそのものではなく、それを受ける日常描写について考えてみたい。

ある日、地球に潜伏し始めた寄生生物=パラサイト。人間の身体を乗っ取り、他の人間を捕食することで生き延びる。その一体に寄生されるが、たまたま頭を奪われずに済んだのは主人公の高校生・新一(映画では染谷将太が演じる)であった。脳を喰う前に成熟してしまったため自分の右手に寄生したままの「それ」を「ミギー」と呼ぶ新一。「二人」の奇妙な関係性が生まれていく……。

私が漫画をまんべんなくチェックしていたのはせいぜい中学生までだが、一九九〇年代が開けるとともに登場した岩明均の同名原作漫画は、当時もう社会人になっていたのにも関わらず、最後まで読んでいる。単行本になってからではあったが、全十巻が完結してからそう経たない時期に読んだと思う。

生と死の境界や、人間を人間たらしめるものは何かといった命題を突き付けられ、鮮烈な印象を受けたが、それだけに、気軽に読み返す気にはならなかった。単行本は売り飛ばす事もなく、奥にしまい込む事もなく、この二十年、自分の書庫の漫画本の棚にずっと並べて置いてある。

さて今回の映画化は最初から二部作として作られている。その前編を試写で見たのだが、見終わった後・・・。
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